京都の夏に行われる祇園祭は、日本の伝統文化として世界的にも知られていますが、その中でも特に注目されるのが「前祭り」です。
この記事では、祇園祭の前祭の開催日や開始時間、「何時から」始まるのか、「前祭とは」具体的に何を意味するのかに。祇園祭のハイライトである「山鉾」巡行の魅力を深堀りし、さらに「前祭と後祭の違い」、山鉾巡行が始まった「由来と歴史」、そして多くの人が気になる「山鉾と鉾の違い」についても解説します。
祇園祭 前祭りの日程とスケジュールは
祇園祭のスケジュールは?
祇園祭は、毎年7月1日から31日までの期間、京都の街を彩る伝統的なお祭りとして知られています。
このお祭りの中で、特に注目を集めるのが宵山と山鉾巡行です。
宵山は、祇園祭前祭の準備として7月14日から16日まで行われ、街は多くの訪問者で賑わいます。
以下にその主要なスケジュールをまとめました。
- 7月1日〜31日:祇園祭全体が開催される期間。
- 7月1日〜5日:祭りの開始を告げる「吉符入」が行われ、祭りの準備が始まります。
- 7月2日:「くじ取り式」にて山鉾の巡行順序が決定されます。
- 7月10日〜14日:各山鉾町で「山鉾建て」が行われ、山鉾が組み立てられます。
- 7月14日〜16日:前祭(さきまつり)の宵山。市内の山鉾町では、多くの人々で賑わいます。
- 7月17日:前祭の山鉾巡行。午前9時から四条烏丸を出発し、京都市内を巡行します。
- 7月18日〜21日:後祭(あとまつり)の山鉾町での「山鉾建て」が行われます。
- 7月21日〜23日:後祭の宵山。前祭と同様に山鉾町が多くの人で賑わいます。
- 7月24日:後祭の山鉾巡行。前祭とは異なるルートで巡行が行われます。
祇園祭の前祭りはいつ 何時から
前祭のクライマックスである山鉾巡行は、毎年7月17日に行われます。
午前9時に、京都の四条烏丸を起点として、祭りのメインイベントの一つである山鉾巡行が始まります。
京都市の中心部が祭りの雰囲気に染まる中、長刀鉾、函谷鉾をはじめとする全23基の山鉾が、伝統に則り精緻に装飾された姿で市内を練り歩きます。
巡行は、河原町四条から河原町御池、そして新町御池を経て四条堺町でくじ改めが行われ、その後さらに続きます。
これらの山鉾は、各々が独特の歴史を持ち、「動く美術館」と称されるほどの壮麗な装飾品を飾っていてとても魅力的です。
祇園祭の前祭りの日程と内容
祇園祭 前祭とは
祇園祭の前祭は、八坂神社の神様が四条の新京極・寺町商店街前にある御旅所へと旅立つための「露払い」を目的としています。
祭の主神である八坂神社の神様をお迎えするために、京都の町内を清め、神聖な道を作る役割を果たすため、23基にも及ぶ山鉾が巡行します。
各山鉾は、長刀鉾や函谷鉾など、それぞれが独自の由来や伝統を持ち、細部にわたる装飾が施されています。
7月17日の山鉾巡行は、これらの山鉾が四条烏丸から出発し、京都市内を練り歩く祇園祭のクライマックスとされており、壮大な光景が見られるため毎年多くの観光客を惹きつけています。
前祭の行事は、神様の旅を祝うとともに、町内を清め、疫病や災厄の除去を祈願する古代からの信仰を今に伝えるものだと言えます。
祇園祭 前祭 山鉾とは
祇園祭の前祭で巡行される山鉾は、全23基に及びます。
その中でも特に有名なのは、勇壮な姿の長刀鉾や、祭りの安全を祈願する象徴である函谷鉾などが挙げられます。
これらの山鉾は、平安時代から続く長い歴史の中で形成された独自の伝統や背景を持tっています。
祭りの日には京都市内を華やかに飾ります。
長刀鉾は祇園祭の先頭を飾る鉾として知られ、その長い長刀が邪気を払う力があるとされています。
函谷鉾は、道教の思想に基づく函谷関の故事から名付けられ、平安京の守護と疫病退散の象徴とされてきました。
船鉾(ふなほこ)は、船を模した形をしています。祇園祭の中でも特に華やかで人気のある山鉾の一つです。神功皇后が三韓出兵の際に乗船したとされる伝説にちなんで、出陣の船を象徴しています。
船鉾の特徴として、先頭には龍頭があり、船尾には鳳凰が配されていることが挙げられます。
各山鉾はそれぞれに特色ある装飾が施され、豪華な絵師による幟や、遠方からもたらされた珍しい布地で作られた懸装品で飾られます。
山鉾名 | 特徴 |
---|---|
長刀鉾 | 祇園祭の先頭を飾る、勇壮な長刀を象徴 |
函谷鉾 | 道教の思想に基づく装飾 |
放下鉾 | 不明 |
岩戸山 | 不明 |
船鉾 | 神功皇后の出陣を象徴 |
菊水鉾 | 不明 |
月鉾 | 不明 |
鶏鉾 | 鶏をモチーフにした装飾 |
山伏山 | 山伏を象徴する装飾 |
孟宗山 | 孟宗竹をモチーフにした装飾 |
太子山 | 聖徳太子を象徴 |
郭巨山 | 不明 |
保昌山 | 不明 |
油天神山 | 油を象徴する装飾 |
四条傘鉾 | 四条通をモチーフにした装飾 |
蟷螂山 | 蟷螂をモチーフにした装飾 |
伯牙山 | 伝説的な琴の名手を象徴 |
木賊山 | 木賊をモチーフにした装飾 |
霰天神山 | 不明 |
白楽天山 | 詩人白楽天を象徴する装飾 |
芦刈山 | 芦を刈る様子を象徴 |
占出山 | 不明 |
綾傘鉾 | 綾織りの傘を象徴する装飾 |
山鉾巡行のコースは?
- 出発点:四条烏丸
- 巡行はここからスタートします。
- 河原町四条:
- 四条通を東へ向かい、河原町通に至ります。
- 河原町御池:
- 河原町通を北上し、御池通に差し掛かります。
- 新町御池:
- 御池通を西へ進み、新町通に入ります。
- 四条堺町(くじ改めの地点):
- 新町通から再び四条通へ出て、巡行順を確認する「くじ改め」が行われます。
- 終点:元の四条烏丸に戻ります。
- ここで山鉾巡行は終了し、各山鉾は町内に戻っていきます。
山鉾巡行の前祭と後祭の違い
祇園祭の山鉾巡行における前祭と後祭の違いについて解説します。
前祭は、八坂神社の神様の出発を祝うため、四条烏丸から始まる巡行に23基の山鉾が参加します。
これに対して、後祭は神様の帰還を祝う行事であり、参加する山鉾の数は約半分の10基となります。
前祭の巡行には長刀鉾や函谷鉾といった山鉾が見られますが、後祭では橋弁慶山や大船鉾など、別の山鉾が中心となります。
「大船鉾」は、その名の通り大きな船を模した鉾で、150年ぶりに復活しました。この大船鉾は後祭の24日に巡行する特別な鉾で
後祭は2014年に約半世紀ぶりに復活し、7月24日に行われるようになりました。
これにより、祇園祭は本来の形を取り戻し、前祭と後祭の山鉾巡行がそれぞれ独立したイベントとして、親しまれるようになりました。
山鉾はいつから始まった 由来と歴史
祇園祭の山鉾巡行の起源は869年、平安時代に遡ります。
この年、京都で疫病が流行した際、当時の人々は疫病の祓いとして、八坂神社の神輿を神泉苑(現在の中京区にあたる地域)に迎え、全国の国の数にちなんで66本の鉾を立てる儀式を行いました。これが祇園祭の最初の記録とされ、山鉾巡行の始まりとされています。
しかし、応仁の乱(1467年〜1477年)の混乱期を経て、山鉾巡行は一時期途絶えてしまいます。
それから約30年後の1500年、京都の町衆の手によって山鉾巡行は再興され、今日に至るまで続く伝統の礎が築かれました。
この再興以降、山鉾は、中国やペルシャ、ベルギーなどからもたらされたタペストリーなど、世界各地の美術品を飾る「動く美術館」としての役割も担うようになりました。
このような経緯を経て、祇園祭の山鉾巡行は、京都だけでなく世界にもその美を認められ、2009年にはユネスコの無形文化遺産に登録されるなど、その価値は時を経ても変わることなく伝えられています。
祇園祭りの山鉾と鉾の違いは何?
祇園祭の山鉾巡行における「山」と「鉾」違いについて解説します。
「山」は文字通り山を模した構造をしており、その屋根には松などの木が植えられていることが特徴です。
これに対し、「鉾」は中心に巨大な柱があり、その頂には鉾特有の象徴的なシンボルや飾りが掲げられています。
これらのシンボルは各鉾の歴史や伝説、守護神を象徴するものであり、鉾ごとに異なる独特の意味を持ちます。
まとめ 祇園祭前祭り日程と山鉾巡業の内容 後祭との違いについても
- 祇園祭は毎年7月1日から31日まで開催される
- 前祭のクライマックスは山鉾巡行である
- 山鉾巡行の日程は7月17日である
- 宵山は7月14日から16日にかけて行われる
- 山鉾巡行の開始時間は午前9時である
- スタート地点は四条烏丸である
- 全23基の山鉾が市内を練り歩く
- 長刀鉾や函谷鉾など、各山鉾に独自の歴史がある
- 祭りは京都市の中心部を彩る
- 前祭は八坂神社の神様の旅立ちを祝う
- 巡行は河原町四条から河原町御池、新町御池を経由する
- 四条堺町でくじ改めが行われる
- 「動く美術館」とも称される豪華な山鉾が特徴
- 山鉾巡行は伝統と文化を象徴するイベントである
- 祇園祭は疫病や災厄の除去を祈願する行事でもある