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魔王軍に仮採用された勇者レオ。正規採用のためには、正体を隠しつつ魔王軍復興に貢献し、四天王の推薦を得なければならない。手始めに、四天王の中で最も頭脳明晰な魔将軍シュティーナを手伝うことにしたレオは、黒騎士オニキスを名乗って行動することにする。しかし、シュティーナの仕事量は完全に限度を超えていて……
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簡単なあらすじ
第2回のタイトルは,「明日の自分が楽になるしごとをしろ」というお話。
私は,これをてっきりシュティーナの仕事の効率的な仕方にもとづいて,仮採用であるレオを教育するはなしかと思ってみてたら,全く逆。
レオがシュティーナに,仕事を抱え込まずに部下に割り振ることを教える話でした。
朝起きてこられないシュティーナに,仕事を抱え込みすぎているから燃え尽きてしまっているのだと感じ,レオは仕事を効率化できないかどうかリストを見せてもらいます。
その結果は,50をくだらないリストであることがわかりました。
仕事を部下に割り振ろうにも,人材がいないし,教育する時間もないということで身動きが撮れない状況の中,シュティーナは一人で仕事を抱え込んでいたのです。(というか,そんな状況にだいたのはレオ)
「古参しかできない仕事のマニュアルなし」
レオは,まず「魔力炉の魔力供給」の仕事を部下に割り振る仕組みを作り出スことに成功。
シュティーナは,素直に最初の頃の邪険な扱いを謝罪,にこっと「これからもよろしくね」と感謝するのでした。
一番気難しそうなシュティーナが,まず最初にレオの正式採用を認めたようなものです。
レオ,シュティーナの寝室に忍び込む最低なやつ
話は,朝,シュティーなの寝室に魔法で解錠してしのびこみ,起こすところから始まります。
底で寝ているのは,「あと5分・・・・今日はベッドでゴロゴロする・・」と寝ぼける娘。
まさかシュティーナだとは最初とても思えませんでした。
レオは,エキドナの声に変換してシュティーナを起こします。
激しくびっくりしてとびおき,そのままベッドの上で土下座しながらエキドナに仕事の遅れと見通しをあたふたと説明するシュティーナが,できる上司の前で必死に言い訳をする部下の姿そのままで微笑ましい。
しかし,顔を上げた先にいたのがレオであると見るや,こんどは激しく動揺。取り乱してアイス魔法をぶっ放します。
それはそうでしょう。
絶対レオが悪い。
その爆裂の音に,エキドナは「敵襲か!」と飛び起きて窓を外を見たら,それはシュティーナの部屋からであったことをしります。
ここでエキドナが「ストレスがたまっているのでは・・」と心配し,四天王のシュティーナ以外の3人を読んで,シュティーナの様子を見守って欲しいと頼むところ,理想の上司。
「自分が助けようとすれば,シュティーナはもっとがんばろうとするからそれはできない」と考えるところ,惚れ惚れするような上司の姿です。
それにくらべてレオは・・・
レオってビジネスコンサルタント
女性の部屋に解錠して平気で忍び込んだり,仕事の仕方を見学すると言いながら「胸をみていたのだが」としれっと言うなど,レオにはやはり勇者としての風格がないばかりか,人間的になにかも題を抱えている男にちがいありません。
でも,今回の話をみると,びっくりすることに,レオは悩める幹部のしごとの効率を高めるためのビジネスコンサルをしているんです。
仕事を割り振れる部下を育てることも上司の仕事だろ,といいながら,実際に部下4名を育てる仕組みをつくりあげてしまい,シュティーナに感謝されています。
また,部下が上司を思う気持ちを汲みとり,仕事を分けることが部下のやる気を上げることも,眼の前でシュティーナに示します。
雑用をしていたディアネットという娘が,以前からシュティーナが一人で仕事を抱え込んでいることを心配し,何かできることはないか声をかけたがっていたことを,レオはすぐに理解。魔力炉に魔力を供給する仕事ができるようにしたことで,シュティーナに自分の仕事が楽になるだけでなく,ディアネットが顔を輝かせて喜んでいる姿を見せるのです。
下の絵で,2枚めと3枚目に出ている褐色の肌の娘がディアネットです。
下は,シュティーナのために仕事をもらえてにっこりするディアネット。
実際,ディアネットは,今回の話登場以来,眉にシワを寄せて不安そうにシュティーナの部屋の前を行ったり来たりしていたのが,シュティーナの仕事をもらって助けることができることがわかって部屋を出るときには,初めて微笑み,踊りながら去っていくシーンがありました。
シュティーナは,それまで,心配してなにかできないかと訪ねてくれるディアネットに優しく微笑んで「大丈夫よ,あなたは自分のことをして」ということが部下に心配をかけないことだと思っていたようです。
しかし,実際には,部下に仕事を分けることが心配してくれる部下を幸せにすることなんだということを知りました。
こうしてみると,レオは見事なビジネスコンサルタントだとしか思えません。
いったい彼はどこでこんなビジネススキルを身につけてきたのでしょうか。
シュティーナはかわいらしくて素直
第1話で見せた,ばりばりのやり手,敏腕マネージャーブリを示したシュティーナでした。
しかし今回の第2話では,
◯ 寝室に忍び込まれて真っ赤になり激しく動揺して取り乱す
という普通の若い女性の姿を見せてくれます。
実に純情な一人に娘なんですね。
ほんとうはサキュバスなんですが・・・
つんつんしているようですが,とても情にあつく,部下のディアネットが心配してくれるのを見てやさしく微笑みかける部下思いの姿も見せてくれます。
そして,さらに,レオが自分の仕事を効率化してくれたこと,そして部下に喜びをあたえてくれたこととについて,素直に自分の見誤りをわびたうえで,感謝しています。
シュティーナは,才知に富んだ敏腕マネージャーという面だけでなく,部下へのやさしさ,自分の誤りを認める素直さ,そして感謝する心を持ったとても人間的なキャラクターでした。
人間的といっていいのかどうか,ちょっと迷います。
この物語では,魔物たちの方が人間臭いんです。
勇者レオは,もしかしたら滅ぼしてはいけないものを一旦ほろぼしてしまったのかもしれません。
真の魔物は,もしかしたら魔王軍ではなく,平気でレオを追放した人間たちなのかも・・・
リリはあいかわらずの子供っぷり
エキドナが,シュティーナへの心配について話すために招集した四天王残りの3名中,まだ子どもの猫耳獣人リリは,大事な会議中お絵かきをしています。
かいているのは,メガネをかけた女性に見えます。
おそらくシュティーナの絵でしょうか。
しかし,会議の最中,とうとう眠り込んでしまいます。
エキドナがやさしくつんつんして起こしてあげる姿は女神のよう。(これでも魔王)
描いていた絵には,リリのよだれが・・・
本当にリリはまだ子供なんですね。
しかしそのリリが,兵站任務につくという深刻な自体になりました。
レオのことを信頼したシュティーナが,レオを呼んで,リリの食料調達がいかに大切で失敗できないのかを説明します。城の食料が尽きかけているのです。
そのレオに見せられた,リリから提出された計画書。
そこには,食料を輸送しているお絵かきとともに
「みんなえがおで元気で楽しく~!」と描いてありました。
「まじ・・・?」としか言えないレオです。
しかし,そんなリリまでもが食料調達の仕事を任されるほど人材不足にしてしまったのは,レオほんにんなんですが・・・・
第3回の予告 「ちょっとした気付きが仕事の効率を上げる」
もうここまできたら,この話,完全なビジネス効率化アニメですね。
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コメント
いったい彼はどこでこんなビジネススキルを身につけてきた 原作者曰く仕事のスキルは魔王が居なかった時期つまり平時に会得したらしいです。 原作小説だと今回の話に当たる部分でレオは過去に商業ギルドの手伝いをしていた時の話を回想していましたからそれかもしれません。まぁ7行しかない回想だったので当時の全貌はさっぱりです。
くわしくおしえていただいて嬉しいです。
ありがとうございました。