以下の記事で,トールが商店街で見せたとんでもない強さと,小林さんに手を握ってもらわないといけないほどの弱さについて書きました。
小林さんちのメイドラゴン第2話の楽しみ方7つ 民族衣装系ゴスロリ カンナ
第2話。トールはすでに商店街の人気ものになっています。
持ち前のコミュニケーション能力の高さで,店の人からも,お客たちからも信頼され,好まれるようになっていました。
そのトールがひったくりがきっかけで強大な力を発揮してしまいます。その直後にこおりついた人々にとにトールが感じた怖さ,それはいったいなんだったのでしょう。
トールが「仲良くしてませんよ」という言葉への違和感
たくさんの人達と仲良くなっているように見えた小林さん。
トールにどうやってそんなに仲良くなったのと聞かれても,トールはあっけらかんとしています。「別に仲良くしてませんよ」と応えるんです。
ただあわせていたらこうなったと。
この時点でのトールは,まだ人間を劣等種だと思っている頃です。自分からわざわざ仲良くなるということは考えられないだろうし,あえて仲良くしようという気持ちもなかったでしょう。
ただ,小林さんに迷惑がかかってはいけないので,商店街の人にうまく合わせていたのです。
少なくともトールはそう信じていたんですね。
なので,「別になかよくしてませんよ」とあっけらかんと応えるんです。
でも,その答え方というのがどうもあっけらかんとしすぎで引っかかってはいました。
(本当かなあ・・・)というような思いです。
トールの圧倒的な人外の強さ
そんな中,ひったくりが客のバッグをひったくって走り去ります。小林さんの許しを得たトールは,相当先を走っているひったくりに一瞬でおいつきます。
地面で足を蹴った瞬間,ロケットのように飛び,次の瞬間には,かなり走ったのでもう大丈夫・・と思ってほっとしているひったくりの顔のほぼ後ろにぴたっとつきます。
そして次の瞬間,上からごんと地面にたたきつけます。
それは地面にめりこむほどの強打。ひったくり犯大丈夫かなと思うほどの強烈な一撃です。
トールにとっては何ということもありません。
ところが・・・・・
見ているひとたちがそのトールを見てドン引きしていました。
こわがるトール
シーンと凍りつくまわりの雰囲気は一瞬であり,次の瞬間には拍手喝采が起きました。
「すごいぞ!トールちゃん!」というような声があちこちから上がります。
そこを小林さんがそそくさとトールの手を引っ張って商店街をでていくのですが・・・・
トールがここでいいました。
「私,すこしこわかったです・・・」
トールは,なぜこんなに街のひとをおそれたのか。
上の記事では次のように書きました。
おそらく,トールは,町の人達から恐れられること,そして自分から離れてしまうこと,そういう予感がしたのではないかと思います。
トールはすでにこの商店街が自分の居所になっていたんです。
トールは,この商店街の人達との関係を失いたくなかったのではないかということですね。
ここで,最初のシーンを振り返ってみましょう。
小林さんからどうやってそう仲良くなったのかと聞かれた時,トールはあまりにもあっけらかんと「仲良くしてませんよ」と答えます。
見ている私はそのあまりにもあっさりという表情に違和感をおぼえていたのですが・・・
この商店街でのトールのかんじた「怖さ」の正体を考えた時に,その違和感に合点が行きました。
それは,「なかよくしてませんよ」とあっさりこたえることで,トールは「仲良くしていたいと感じている自分」を否定したのではないでしょうか。
商店街の人が好き,お客さんが好き,人間と仲良くしていたい。
でもドラゴンである自分がそれを許さないのです。
トールが「仲良くしてませんよ」とあっさりと応えるのは,本当は仲良くしていたいと感じている自分への抵抗だったのではないでしょうか。
だから,周りの人たちの空気が凍りついた時,怖いとおもったのでしょう。

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